倉敷医療生活協同組合 水島協同病院 オフィシャルサイト

水島協同病院 臨床指標


感染対策の指標

中心静脈カテーテル関連血流感染率・使用比

中心静脈カテーテル関連血流感染率・使用比
感染率 分子・分母

 分子:中心静脈カテーテル関連感染者数
 分母:当月入院患者の中心静脈カテーテル留置延べ日数

使用比 分子・分母

 分子:中心静脈カテーテル留置延べ日数
 分母:延べ入院入院患者数

備考(除外項目等)

 感染率の単位 ‰
 使用比の単位 %

指標の説明

 厚労省研究班の推計によると、日本での中心静脈カテーテル関連血流感染による年間死亡者数は少なく見積もって5,000~7,000人いるとされ、ICUにおいては中心静脈カテーテルの留置が退院時の患者死亡のリスクを増加させることも示されています。中心静脈カテーテル関連血流感染対策は医療関連感染対策の重要な柱のひとつとなっています。

指標の種類

アウトカム

考察

 2020年度の使用比は、昨年から0.02ポイント低下しています。使用比は減少傾向ですが、BSI感染率としては2.91と前年度比から1.4ポイント増加しています。当院では、BSIを疑った際の血液培養件数は増加。「血液培養2セット率」も2015年以降99%~98%を維持しています。ICTのカルテ回診時には必要な血液培養やCVC抜去などの提示を行っており、回診時の提示内容に対しての受託率も80%以上となっています。このことから、不必要なCVC留置件数は減少し、診断に必要な血液培養がなされていると評価できます。今後も感染率減少のために、適切な挿入部位の選択、適応の検討、実施中の管理強化、早期の抜去などの対策を行っていきたいと思います。

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尿留置カテーテル関連尿路感染率・使用比

尿留置カテーテル関連尿路感染率・使用比
感染率 分子・分母

 分子:尿留置カテーテル関連感染者数
 分母:当月入院患者の尿留置カテーテル留置延べ日数

使用比 分子・分母

 分子:尿留置カテーテル留置延べ日数
 分母:延べ入院患者数

備考(除外項目等)

 感染率の単位 ‰
 使用比の単位 %
 全部署で実施:2階西病棟、3階南病棟、3階北病棟、4階南病棟、4階北病棟

指標の説明

 尿路感染は医療関連感染の約40%を占めており、そのうち66~86%が尿道カテーテルなどの器具が原因です。いったん尿道カテーテルを挿入すると15日までに50%、1ヶ月までにほぼ100%尿路感染を起こすといわれています。尿路感染は一般的に重症化することなく無症状で経過することが多いのですが、ハイリスク患者では膀胱炎、腎盂炎、敗血症に至ることがあるため、管理を徹底することが重要です。尿留置カテーテル関連尿路感染対策は医療関連感染対策の重要な柱のひとつとなっています。

指標の種類

アウトカム

考察

 2019年度以降の使用比は、減少傾向ですが、感染率は増加しています。このデータの背景として、2019年度から排泄ケアチームと相談しながら、カテーテルの早期抜去をすすめており、特定看護師/WOCNSの直接的な患者介入が積極的に実施されることで、病棟看護師の必要時のみのカテーテル挿入、早期抜去検討の意識が高まり定着してきています。また、必要時の熱源精査目的での尿培養の提出件数が2018年度と比較して増加しており、UTIと診断出来る件数が増加していると考えられます。感染率の増加がみられていますが、2010年にマニュアルを作成し、カテーテル管理の強化、カテーテル使用基準に基づく早期のオムツや導尿への移行で、カテーテルの使用は減少傾向を示していました。当院の感染率は尿細菌学的検査の評価をもとに測定しています。感染率の正確な測定には必要な検査の実施が欠かせません。尿路感染の状況把握と適切な治療を図る上で、必要な細菌検査を行うよう働きを強める必要があります。引き続きカテーテル挿入基準の遵守と、日々の抜去へのアセスメントも進めていきたいと思います。
参考値:JANIS ICU部門2012.7~12  感染率 0.5

参考文献等

カテーテル関連尿路感染予防のCDCガイドライン 2009

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血液培養実施件数

血液培養実施件数
指標の説明

 抗生剤の適正使用は、①細菌の同定(Fever workup)、②推定的治療(Empiric therapy)、③確定的治療(Definitive therapy、推定的治療から確定的治療の切り替えをDe-escalation と言います)、④抗生剤の速やかな終了から構成されています。血培実施件数は、日常診療の中で細菌の同定の努力が適切に実施されているかどうかをみる指標として設定しました。

指標の種類

プロセス

考察

 2020年度の血液培養の実施件数は889件で、2019年度より増加しました。2019年度の感染症専門医の赴任と、若手医師のチーム制に伴うオーダー増加が継続しています。また、2020年10月には血液培養装置を更新し、同時培養可能件数が増加しました。これにより結果報告の遅延がなくなりました。2018年度以前と比較して、感染症診断のパフォーマンスは向上していると考えられます。
 血液培養の適切な陽性率は5~15%とされており、2020年度以降は陽性率15%未満を目標に血液培養実施件数増加を推進しています。2020年度の陽性率は15.1%で、ほぼ目標を達成できていました。血液培養が必要な場面で実施される割合、頻度が増加していることが推定されます。最終的には陽性率10%を達成できるよう、今後も取り組みを継続します。

参考文献等

CUMITECH血液培養検査ガイドライン,医歯薬出版株式会社

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血液培養のボトルが複数提出された 患者の割合

血液培養のボトルが複数提出された 患者の割合
分子・分母

 分子:同一日の血液培養検査で複数の培養ボトルが出された延べ患者数
 分母:血液培養検査が行われた延べ患者数

指標の説明

 重症感染時には菌血症(血液中に細菌がいる状態)を伴うことが少なくありません。この血液中の細菌を検出する血液培養は、1セット採取よりも2セット採取の方が、検出感度が良好であることが知られています。また、2セット採取は原因菌か採取時の汚染かを判定するためにも重要です。

指標の種類

プロセス

考察

 2020年度の実施率は、98.7%と前年と同様に高水準を維持しています。複数セット採取率向上のために、2009年度に「血培2セット」として、検査室からトレイにて2セット払い出すシステムへ変更し、定期的に複数セット採取について広報を行ってきました。現場スタッフの努力もあって、複数セット採取が定着し、2015年から98%以上と高率を維持できています。

参考文献等

Quality Indicator 2010「医療の質」を測り改善する(聖路加国際病院の先進的取り組み) インターメディカ

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血液培養での表皮ブドウ球菌コンタミネーション率

血液培養での表皮ブドウ球菌コンタミネーション率
分子・分母

 分子:表皮ブドウ球菌のコンタミネーション延べ患者数
 分母:同一日の血液培養検査で複数の培養ボトルが出された延べ患者数

指標の説明

 血液培養を実施する際、皮膚の常在菌が混入し、しばしば結果の解釈に問題を生じます。この指標は、血液培養の採血時、常在菌の混入を防止するため、適切な手技がどの程度行われているかをみる指標です。

指標の種類

プロセス

考察

 CUMITECH血液培養検査ガイドラインでは、コンタミネーション率の目安は2~3%以下とされています。コンタミネーション率を低く保つためには現場スタッフに対する継続的な教育や、採血環境の整備などが必要となります。
 2020年度のコンタミネーション率は0.45%と前年度より減少しました。適正な水準を維持できており、正しい手順での採血が定着していると考えられます。

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総黄色ブドウ球菌検出患者の内のMRSA検出患者比率

総黄色ブドウ球菌検出患者の内のMRSA検出患者比率
分子・分母

 分子:期間内のMRSA検出患者数
 分母:期間内の黄色ブドウ球菌検出患者数

指標の説明

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は院内で最も多く分離される耐性菌であり、院内で分離される黄色ブドウ球菌に占める割合は50-70%とされています。MRSAの感染経路は接触感染によるものです。(「MRSA保有/感染患者→医療従事者の手指→患者」や「MRSA汚染の環境→医療従事者の手指→患者」)
 MRSAの検出率の低下には院内での手指衛生材料の使用量の増加や広域抗菌薬の使用量の減少が関係しているとする報告もあります。この指標はMRSA検出率低減を目的に実施された手指衛生の遵守、環境衛生の徹底、抗生剤の適正使用など、感染対策全般を評価するものです。

考察

 総黄色ブドウ球菌検出患者の内のMRSA検出患者比率は、入院・外来ともに2019年度から増加しました。手指衛生材料の使用量は増加していますが、必要なタイミングでの実施が不十分であると考えられます。今後は使用量だけでなく手指衛生遵守率をモニタリングし、改善につなげる取り組みを行っていきます。
 MRSA検出率を減少させるためには、入院ではMRSA保有/感染患者の管理・手指衛生の遵守・環境衛生の実施など感染対策の徹底、外来では「風邪に抗菌薬を使わない」など抗菌薬を適切に使用することが重要です。

参考文献等

院内感染対策サーベイランス(JANIS)公開情報

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中心静脈カテーテル挿入時のマキシマル・バリアプリコーション(高度無菌遮断予防策:MBP)実施率

中心静脈カテーテル挿入時のマキシマル・バリアプリコーション(高度無菌遮断予防策:MBP)実施率
分子・分母

 分子:マキシマル・バリアプリコーション実施数
 分母:新規中心静脈挿入件数

指標の説明

 末梢静脈カテーテルと比較して、中心静脈カテーテルは感染の危険性が高く、中心静脈カテーテル挿入や管理には十分な注意が必要です。中心静脈カテーテル挿入時にはマキシマル・バリアプリコーション(MBP)が不可欠な感染対策であり、手指衛生に加えキャップ・マスク・滅菌ガウン・滅菌手袋・大型滅菌全身用ドレープが用いられます。MBPは、標準予防策(滅菌手袋・小さいドレープ)と比較すると中心静脈カテーテル関連血流感染の発生率を減少させることが実証されています。

指標の種類

アウトカム

考察

 2020年度は実施率84.9%と前年より2ポイント上昇していますが、大幅な変化はなく経過しています。2011年から比較すると、装着に対する医師の意識が大幅に向上していきています。
 リンクナース会議などで、MBPの実施率の広報を行い、CV挿入時に看護師の準備段階から適切なセットを医師へ提供しています。今後も、マニュアルに従ったMBP実施の徹底のため、看護師への指導と医師への協力を強め、医師間での実施率の差の解消など、MBP完全実施に向けて取り組みたいと思います。

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病棟における手指消毒薬使用量

病棟における手指消毒薬使用量
指標の説明

 医療環境で発生している多くの感染症は医療従事者の手指を介して伝播しており、手指衛生はすべての医療従事者が習熟すべき基本的な技術となっています。2002年にCDC(米国疾病対策センター)は手指衛生のガイドラインを改訂し、医療現場における手指衛生の基本として、簡便で消毒効果が高く、手荒れを起こしにくいアルコールベースの手指消毒薬を使用した方法を勧告しました。医療従事者の手指衛生実施の遵守状況の改善度を測定するために、手指消毒薬の使用量調査は有用となっています。使用量は病棟の各設置場所及び個人の実際使用した量を計測し表示しています。

指標の種類

プロセス

考察

 2020年は、COVID-19の出現により、院内での手指衛生の必要性を、前年度以上に全職員が意識をした年となっています。毎年全体学習としてリンクナースによる手指衛生学習を実施していますが、2020年度は、アルコール手指衛生の方法、効果について各部署へ出前講座を行いました。職員全体に手指衛生の重要性が更に深まり、各部署のリンクナースも手指衛生に関しての活動を前年度以上に力をいれています。感染リンクナース会議と院内感染対策委員会では、毎月の手指衛生使用量を部署毎にグラフ化し、手指衛生の必要性を周知しています。今後も、「手指衛生は、適格性、プロフェショナリズム、敬意の証」を合い言葉に教育をすすめ、使用量の増加を目指します。

参考文献等

手指衛生等に関する文献:CDCの手指衛生ガイドライン2002年

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市中肺炎患者死亡率

市中肺炎患者死亡率
分子・分母

 分子:市中肺炎患者死亡患者数(成人);軽症、中等症、重症、超重症
 分母:退院した市中肺炎患者発生患者数(成人);軽症、中等症、重症、超重症

備考(除外項目等)

 ICDコードJ13$~J18$を対象(15歳以上で、入院前1ヶ月以内の入院歴、療養病院・施設滞在者を除く)とします

指標の説明

 抗菌化学療法の発達した現在においても、肺炎は今なお罹患率、死亡率の高い疾患です。しかもその罹患率は人口の高齢化とともに増加し、死因別死亡数は悪性新生物、心疾患に次いで第3位を占めています。肺炎の診療には、原因菌の確定と適切な抗菌剤の選択のみならず、酸素療法、呼吸管理等、総合的な対応が求められ、病院の集学的な治療レベルの示す指標のひとつと考えられます。

指標の種類

アウトカム

考察

 2020年の市中肺炎に分類される入院患者(DPC対象の肺炎患者から長期療養型病床群・介護施設からの肺炎、1ヶ月以内の入院歴のある肺炎を除く)は70名で、入院患者数が昨年の44%と大幅に減少しています。前年比では、軽症33.5%、中等症 46.7% 、重症 36.0%、超重症 100.0%でした。昨年の新型コロナウイルス感染症による入院数の減少が反映されています。重症度別の患者数は、軽症8名(11.4%)、中等症50名(71.4%)、重症9名(12.9%)、超重症は3名(4.3%)でした。
 肺炎の重症化を防ぐための事業所の総合的な対応力を強めることが求められます。(各重症度別死亡率は、全体12.9%(昨年5.03%)、軽症0.0%、中等症8.0、重症33.3%、超重症66.7%でした。)
 JRS2005検証委員会が行った全国調査の死亡率、軽症0%、中等症3.1%、重症9.9%、超重症19.9%と比較して、重症は低値ですが、中等症と超重症は高値を示しました。全国調査では報告施設の性格によりバイアスが懸かっている可能性があります。

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