「良質の医療を受けたい」というのは、患者さんの普遍的な願いです。一方、医療従事
者も「良質な医療を提供したい」という気持ちで日々診療を行っています。この患者さん
の要望と医療従事者の目標である質の良い医療とは何でしょうか?
米国医療の質委員会・医学研究所は、報告書「谷間を越えて 21世紀システムへ」(2
001)の中で、医療の質を構成する6つの目標を、安全性・有効性・患者中心性・適時
性・効率性・公正性と定めています。安全性が大切なことは語る必要がありません。また
医学の急速な進歩の中で、有効性、すなわちエビデンスに基づいた最新の医療の提供も今
日きわめて重要な課題となっています。医療の質指標は、これら目標の達成の度合い、エ
ビデンスに基づく医療がどの程度実践できているかを測定し、日常診療におけるパフォー
マンスを改善する手段として登場しました。
当院は2010年5月に医療の質プロジェクトを立ち上げ、聖路加国際病院の先進的な
実践を研究し、全日本民主医療連合会「医療の質の評価・公表等推進事業」へ参加しなが
ら、医療の質指標の設定、測定の準備をすすめてきました。2011年度にはプロジェク
トを恒常的な医療の質向上委員会に改め、8月1日までに60余りの質指標を設定し測定
してきました、その指標の一部は、既に質改善のための指標として活用され、具体的な成
果を生み出すに至っています。
当院の医療の質指標への取り組みは日が浅く途上にありますが、これまでの測定結果を
公表したいと思います。利用者のみなさま、医療従事者のみなさまの関心にお答えしお役
に立てれば幸いかと考えます。